入社した会社の研修、なんだかおかしい気がする…。
そう思った場合、かなりの確率でそれは「ブラック企業」です。

私は大学卒業後、山奥で行われた新人研修でブラック企業の洗脳を体験しました…
当時、会社や社会のことを何も知らなかったため、危うく「これが普通なんだ」と洗脳されかけました。
この記事では、「ブラック企業の新人研修」について体験ベースでお伝えします。
なんだかおかしいな?と少しでも思ったことのある方は、是非読んでみてください。
新人への洗脳研修の特徴
一般的な新人研修は、「今まで学生だった社員に対し、社会人の基本を伝える」ことが目的だと言えます。
例えばビジネスマナーだったり、電話対応の仕方やビジネスメールの書き方、挨拶の仕方。
社員としての基礎能力をつけるためのものですね。
ではブラック企業の洗脳研修はというと…目的が全く違います。
一言でいうと、マインドコントロールをしようとしています。
あえて「過酷な環境」で「過酷なこと」をさせます。
体力を削り、人格否定をしてメンタルを削り、「自分はだめなんだ…」と思わせるのです。
その上で「そんなダメな自分を、この会社は受け入れてくれた」と思わせる演出を仕込んできます。
そうすることで、「ダメな自分はここで働くしかない」と思わせるのです。
新入社員を洗脳する方法
洗脳するには、様々な条件があります。しかし、その内容はどんなブラック企業もほとんど同じです。
本質的には「自己否定」させ、「自分の常識を悪い意味で壊させ」、ぼろぼろになった状態で「この会社は自分を受け入れてくれる」と思わせる。
おかしいと頭でわかっていても、取り込まれてしまいやすい状況を作られてしまいます。
一つずつ説明していきます。
隔離された空間で長時間にわたって行われる
こういった洗脳研修(合宿)は、会社の会議室などではなかなか行われません。
「研修施設」や「山奥の合宿所」、会社が大きければ「無人島」など、一般的な場所、人から引き離されます。
また、そういう場所の場合は基本的にテレビ等はありません。
さらに、スマートフォン、財布は没収されることもあります。
その環境から逃れられないよう、事前に手段をつぶされるのです。
受ける側は、そこまでひどいことをされるとは思っていないので、素直に渡してしまうことが多いです。
そうなれば、ブラック企業の狙い通りにことが進んでしまうのです。
体力、精神ともに追いやられるメニュー
必要もないのに、あえて過酷なことをさせられます。
一日中動き回らされたり、40キロの夜間歩行、時間が無い中での社訓の暗唱…。
メンタルと体力をボロボロにさせるために、わざと過酷なメニューを組んでいる可能性が高いです。
人前で繰り返し自分を否定される
ブラック洗脳研修には、大抵よくわからない「指導者」が現れます。
その指導者が、参加者の前で「人格否定」をしてきます。
例えば、「今まで頑張ってきた事」のスピーチを強制的にさせられ、その内容を詰められ、なじられます。
そしてその内容が、「そこまで的外れでもない」から参加者はつい聞き入れて自己否定をしてしまいます。
指導者は経験のあるプロです。
企業の人事の場合もありますが、その場合も大抵場数をこなして相手の痛いところをついてくるのが上手な人です。
これをされることで、元々あった自信は壊され、自己否定が始まります。
チームで連帯責任を課せられる
ブラック企業あるある、「いい人が多い」「同じ敵を相手にすると仲間意識がわきやすく、人間関係が良い」。
これを応用されているのか、こういった研修は必ず「チーム戦」です。
チーム同士で戦わされることはもちろん、「全員が出来ないと寝れない」「食事をとれない」といったことが行われます。
「みんな一緒に頑張ってるから、みんなのために頑張らなきゃ」と思わされますが、これももちろん、ブラック企業の狙いです。
五人組制度に近いです。
ちなみに、それで仲間の足を引っ張ると「自分はなんてダメなんだ…」と自己否定に、逆に仲間を助ける側だと「自分は仲間が大切なんだ」と会社に取り込まれやすくなります。
自由時間が一切ない・睡眠時間も満足に取れない
朝ははやくから起こされ、夜は疲労でへとへと。
わずかにある自由時間には、課せられた課題をしなければなりません。
自由に出来る時間、ほっと息を付ける時間はほぼ皆無です。ここで思考力はどんどん奪われ、ストレスはどんどん溜まります。
家族を引き合いに出される
研修が終盤に差し掛かってくると、「家族への感謝」を強要されることもあります。
今の自分があるのは誰のおかげ?→家族
誰のために働くの?→家族への恩返しのため
これは会社の方針によりますが、そうやって「誰かのために頑張る」意識を植え付けてきます。
これが自分で選択したことならいいのですが、ブラック洗脳研修では「強制的」に行われます。
「こんな自分でも受け入れてくれた」と思わせる
体力とメンタルをボロボロにされた後、研修の最後に仕上げが行われます。
「この会社は、こんな自分でも受け入れてくれる」「ありがたい、ここで頑張らなければ」
そう思わせるための演出を取り入れてくるのです。
今まで散々人格否定をしてきた指導者が、最後には「君は頑張れる」「乗り越えられる」「一緒に頑張ろう」「絶対に見捨てない」そう囁いてきます。
罠です。
必要のない過酷なメニューで精神的、肉体的に痛めつけ、無理やり挫折体験を作らせ、そんなダメなあなたもこの会社は受け入れます、という流れ…
完全なる自作自演です。こういった手法には気を付けてください…。
実際に体験した洗脳研修
なぜこの記事を書いたのかと言うと、私自身がそれを体験したからです。
当時、おかしいと思いながらもなかなかブラック研修の記事が見つからず、「もしかして普通なのか…」と悩みました。
今思うと、やはり異常でしかありませんでした。
山奥で行われる5泊6日の合宿
行われたのは山奥の合宿施設。初日のバスで財布とスマホを取り上げられ、外部との連絡は一切が遮断されました。
今思うと素直すぎでしたが、若い何も知らない新入社員、会社の命令を無視することを思いつくことすらありませんでした。
その時はまだ知りませんでした、同期約20人のうち、半分が洗脳されてしまうということを…。
初日に行われたダッシュ3時間
しょっぱなから行われたのは、準備運動と称しての「ダッシュ3時間」でした。
各チームが1列にならび、リレーのような形で一人ずつが約100メートルをダッシュ。
それを競わされたのです。
休憩時間もありましたが、それが約3時間続きました。もちろん、辞めたくてもチーム戦なので難しい。
それだけで既にヘロヘロで、翌日からは全身が今まで体験したことが無いほどの筋肉痛に…。
さらに山奥、入社前のまだ寒い時期だったので、ほぼ全員が「身体が痛くて動けない」という事態に初日から追い込まれました。
身体が痛くてしゃがむことすら出来ないのに、毎日運動メニューを入れてくる。
嫌がらせなんだな、とまだ大学を卒業したばかりの私でも感じました。
全員の前での強制スピーチ&人格否定
これは毎日行われたことですが、全員が集まってお題に沿ってスピーチ、それを初めて会った指導者のおじいさんにボロクソに言われました。
「そうなってしまったのは誰のせいなの?あなたですよね?」
みたいなことを、ねちねち言われるわけです。しかも全員の前で、言いたくもないことを言わされて。
しかもこのスピーチ、合格と不合格があり…合宿終了までに合格を決められた数だけ取れないと、チーム全員が帰れないというシステムでした。怖すぎる。
これを繰り返すことで、皆だんだん弱っていきました。
大声で社訓を絶叫・社畜ソングを歌わされる
制限時間を付けて、社訓を覚えろと言われ、テストは絶叫方式。
覚えていても声が小さいと合格にはならず、不合格はチームの連帯責任。
大声で叫ばされると、覚えていても頭が真っ白になっちゃうんですよ…。
しかも、すでにその洗脳研修で会社にはドン引きしていたので、社訓に対してもドン引き。地獄ですね。
社畜ソングというのは、「管理者養成学校」で検索してみてください。
「洗脳が止まらないね」と言って苦笑いしていた同期が、最終日に涙を流してスピーチをしているのだから…非常にツライ経験でした…。
全身筋肉痛の中20キロの夜間歩行
合宿終盤、体力もメンタルもボロボロの時に行われる、「夜間歩行」。
当時はなぜか海沿いを20キロほど歩かされました。冬だったので、ひたすら寒かったです。
懐中電灯と電池を持たされるのですが、それが非常に重い。
「こっちも大変なんだよ、みんなが全員戻るまで寝れないの!」
とか言われましたが、「じゃあ夜やるなよ」の一言です。当時もそう思いました。
何被害者ぶってんの?としか言いようがありません。
初日に着ていたスーツのサイズが合わなくなる
とにかくスケジュールが過酷なので、この一週間でやつれます。
その結果、同期の中にはスーツのズボンに拳一つ分隙間が空いた人もいました。
20キロ歩行で足の裏が腫れあがり、病院に行ったところ「あなたの会社はおかしいです」と医者に言われた人もいました。
また、合宿中は本当に時間がないので、汚い話トイレの時間がほとんどとれません。
その結果、ためて、短時間に出す、としていたら「痔」になってしまった女の子もいました。辛すぎる…。
私はこの合宿で会社に対しての嫌悪感を持ち、三か月で退職しました。
会社がブラック企業だと思ったら?
そんな流れで新卒カードを3か月で捨てましたが、その後まともな企業に就職することが出来ました。
ちなみに、同期の半分は1年で辞めました。やはり、洗脳研修をしている企業は社員を大切にしていないんだなとわかるエピソードです…。
では、会社がブラック企業だと気付いたらどうしたらいいか?
私は、「辞める」一択だと思います。
とはいえ、その会社にいることで数年後には必ず市場価値が上がる、という場合や、おかしいけれど我慢は出来そう、という場合は残るのもありです。
たまにブラック企業で給料の高いところや、経験が身につくところもあります。
しかし、「我慢できない」「ブラックすぎる」「給料が安すぎる」「スキルが身につかない」「涙が出てくる」など、問題が多い場合は転職をおすすめします。
新卒カードを捨ててしまうことに不安はあるかもしれませんが、ブラック企業に我慢して勤めていても、いいことはありません。
最悪の場合、病気になってしまいます。
そうなったら、回復するのに時間がかかります。
逃げるのにも体力が必要です。動けるうちに、準備だけでもいいから行動するのがおすすめです。
メンタルがギリギリならやめてからの転職活動もアリ
私自身は、鬱一歩手前、通勤中に涙が止まらなくなった時点で限界だと悟りました。
転職活動をしている余裕もなかったので、次が決まっていない状態で辞めました。
エージェントに確認したところ、「1年以内なら正直辞めてなくても辞めていても評価は変わらない」。
それより、自分に合う企業を見つけられるうちにちゃんと動けることが大事、と言われました。
実際私は辞めてからでも仕事が決まったので、理由が説明できるなら退職しても大丈夫です。(エージェントに相談をおすすめします)
可能ならまずはエージェントに相談してみる
もしも、まだ1~2か月くらいは耐えられそう、ということであれば、「働きながら転職活動」がおすすめです。
メンタル的にも金銭的にも、こちらの方が余裕に繋がるのは間違いありません。
おすすめの転職方法
新卒で入社した会社がブラック企業だった…その場合のおすすめの方法は、「第二新卒向け」の転職エージェントを使う、という方法です。
一般的なエージェントは、「即戦力」になる人を採用したいため、社会人経験が浅いと案件がなかなか回ってこないのです。
「第二新卒向け」だと、紹介されるのは「新卒採用はしていないけれど、若手を採用したい」企業です。
即戦力というよりは、「今後育てていく」という意識で採用活動をしているため、1~3年未満で辞めた人向けと言えます。
実際に私が3か月で辞めて2か月後に転職出来たのは、第二新卒向けのエージェントでした。
おすすめは【ウズキャリ第二新卒】です。私はここで転職が決まりました。
この会社は、若い方の転職サポートがとても強いです!
「第二新卒向け」のエージェントが多くなかった頃からあり、第二新卒サポートの実績が多いです。
初めての転職、しかも一社目をすぐにやめてしまった…
そんな状態だと、転職活動って不安ですよね。私もそうでした。正直、「もう終わったかも…」と思っていました。
そんな状態で【ウズキャリ第二新卒】に申し込んだところ、とても優しい対応、さらに優良企業を紹介してくれました。
年間休日、給料ともに新卒で就活していた時と条件が変わらない企業で内定が取れたのは、こちらを利用したからです。
「今の自分でも転職できますか?」「辞めたくて限界だけど将来が不安すぎる」そんな相談にも乗ってくれます。
転職をしたい場合は、とにかく動くことが大切です。
そして、動いていると光が見えてきて、気持ちが楽になってきます。
一社目でたまたまブラック企業を引いてしまっても、絶対大丈夫です。
ハローワークや転職サイトなど、様々な方法がありますが、やはり「第二新卒向け」に特化したエージェントを使うのが納得転職の一番の近道です。
親身になってくれるエージェントで、相性の良い企業を見つけましょう!
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